ゴールドスペンサーの三代目が爆誕します【馬紹介】
竹之内ぽよ(以下ぽ)「ゴールドスペンサーの三代目が登場するということで、話題になってるね」
竹之内シェナ(以下シ)「へぇ…そうなんですね。知りませんでした」
ぽ「ざっとTwitterで検索してみた感じだと10人くらいかな。言及してたの」
シ「話題が局所的すぎますよ。そもそもそれは『話題になってる』と言っていいんですか?」
ぽ「わざわざツイートしてないってだけで1000人くらいは『おっ、ゴールドスペンサーやんけ』って思ってると読んでるよ、私は」
シ「人数は置いといて。今回登場するのが三代目ということですが、初代と二代目がいたんですね」
ぽ「うむ。簡単に紹介するぞ」
浦和を代表する馬、ゴールドスペンサー
ぽ「ゴールドスペンサーは1976年秋田牧場で誕生。浦和時代の馬主は㈲サニー商事」
シ「1979年にはゴールドカップを制してますね」
ぽ「当時のゴールドカップは3歳(旧4歳)限定の2000m。1957年に創設されたゴールドカップだけど、浦和馬で初めて勝ったのがゴールドスペンサーということになる」
シ「翌年の1980年には川崎記念・NTV盃(現日本テレビ盃)を制覇。そして新設された第1回浦和記念に駒を進めます」
ぽ「この時の様子は『浦和競馬場開場70周年記念誌』に載っていたぞ。
『2周目の向正面まで12頭立ての10番手で脚をためた。3コーナー手前で5,6番手まで進出を開始すると、最後は名手・本間光雄を背にハナ差で差し切りゴール板を駆け抜けた』p.50
浦和記念初代王者が浦和馬なのは嬉しいよな」
シ「向こう正面まで10番手って凄い…そっから追い込んでハナ差勝ち、これは盛り上がったでしょうね」
ぽ「その後年明け1981年の川崎記念を勝ち連覇達成。ほどなく中央競馬に移籍する」
シ「移籍2戦目の1981年天皇賞(秋)3着と健闘すると、次走新設された第1回ジャパンカップに出走します」
ぽ「ちょっと見にくいけど9番の白いメンコ&白っぽい勝負服(この時の馬主は阿部幸眸氏?)がゴールドスペンサー。道中後方のインにつけて3コーナーから進出開始。直線では上手く抜け出してきた」
シ「日本馬最先着の5着!走破時計2.25.8は当時の日本レコードと同タイム。上位の海外勢には一歩及ばなかったものの、シッカリと力を出し切りました」
ぽ「海外勢にコテンパンにやられたイメージだったんだけど、実際みてみたらそう離されてはいないよな。この大舞台でここまで戦える馬が浦和から出てきたってのは凄い」
シ「その後は、1982年天皇賞(春)で3着に食い込むなど安定した成績を残しました。引退後は身内(?)の冠名『サニー』馬に種付けをしています」
ぽ「さっき引用した『浦和競馬場開場70周年記念誌』では『浦和競馬を駆け抜けた名馬たち』の筆頭に挙げられてるし、2018年のテレ玉杯オーバルスプリントの日には浦和競馬70周年の企画でゴールドスペンサー特別 B3(一)が行われた。間違いなく浦和を代表する名馬だ」
二代目、ゴールドスペンサー
ぽ「2008年にひっそりと同名馬ゴールドスペンサーが浦和でデビューしている」
シ「……そもそもいいんですか?重賞いくつも勝ってる実績馬ですよね?同じ名前ダメとかあったような」
ぽ「公益社団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナルの登録基準をみると、結論から言えば大丈夫みたいね」
ぽ「端的に言えばGI,JpnI勝馬じゃなければOKみたいだ。種牡馬になってたりGⅡ,JpnⅢ勝ってたりしてても、再使用までの期間が多少伸びるだけで、時間がたてばまた付けられるようになるみたい。実際につけるかどうかは別の問題だけど」
ぽ「ゴールドスペンサーが勝った1980.1981年当時はまだ格付けされてない(1998年GIに格付け)からセーフって扱いなんだろうな多分。例外として、東京大賞典は時期にかかわりなく、東京ダービーは平成13年以前の勝ち馬名は使えない(第4条(5)ケ)みたいだけど、ゴールドスペンサーはそれらを勝ってない(79年東京ダービー7着、80年東京大賞典6着)」
シ「意外と制限は緩いんですね…」
ぽ「今年デビューのシゲル軍団(2018生まれ)は『役職シリーズ』だけど2008年生まれ組も『役職シリーズ』で二代目がたくさんいる。基本的に抹消後初の1月1日から4年経てば再使用できるみたいだから、気付いてないだけで再使用馬名って割といるのかもね」
シ「二代目に話を戻しますと…橋本騎手・本橋騎手を主戦として浦和で43戦9勝 (9.4.6.24)ですか」
ぽ「(C3馬としては)大事に使われてる方だと思う。9勝して生涯複勝率44%は健闘してるのでは。C3馬だけど」
シ「ただ『ゴールドスペンサー』ってつけたからにはもうワンパンチほしいところではありますよね」
ぽ「シックスパンチくらいほしかったかな…」
三代目、7/27(月)に初出走
ぽ「改めて依頼品をみてみよう。三代目、ゴールドスペンサーである(銀河万丈ボイス)」
シ「鑑定団ですか!確かに元ネタ紹介→本題の流れは鑑定団みありましたけど」
ぽ「本人評価額はセリ値段の270万みたいだね。『ゴールドスペンサー』ってつけた割には大分弱気だけど、評価額UPの景品狙いかな」
シ「出張鑑定団だったんですか。てか誰なんですかその『本人』は!」
シ「↑は『追いきり』さんの能力試験の映像です。ゴールドスペンサー号は5番で高橋哲也騎手(マイネルみたいな勝負服)、みなさんも見てみてはいかがでしょうか。
……さて、ぽよ鑑定士、なにか言いたげですが」
ぽ「はい。スタートがボチボチ出てるのはいいですね。浦和の新馬はまずゲートに入れるか出られるかがポイントですから。そこからのダッシュも悪くない、後方確認の余裕も見せています。51.5というタイムですが、そこは追ってみての伸びしろに期待しましょう。大切になすってください」
シ「(最後の言いたかっただけだな…)でも、感触いいですね。三代目ゴールドスペンサーらしい活躍ができそうでしょうか」
ぽ「………」
シ「なんですか、急に黙って」
ぽ「競馬に絶対はないからね、そんな始まる前から判断することなんてできないんだけども」
シ「歯切れが悪いですね。『大切になすってください』って言ってたじゃないですか」
ぽ「それはなんというか、出張鑑定団で『前から家の玄関に飾ってた謎の壺を鑑定してもらったら古備前の壺(30万円)だった』的なものなのよねーー
こう、初代ゴールドスペンサーって鑑定団で言うと『若冲の掛軸(本物)』くらいな感じじゃない?残した実績からすればさ」
シ「例えがピンポイントすぎる」
ぽ「ゴールドスペンサー(三代目)が悪いって言ってるわけじゃないのよ。デビューまでこぎつけるだけでも大したものだし、中島さんが好きなタイプの壺だと思うし」
シ「もう壺って言っちゃってるじゃないですか」
ぽ「ただ、わざわざその名前をつける?という所よね。せっかくいい作品なのに、有名人の落款押してしまったばかりに偽物となってしまう…みたいな勿体なさ覚えるよな」
シ「この記事もそうですけど、変に注目浴びてしまいますしね…」
ぽ「そもそも
吉田正美厩舎デビューってあたり向いてる方向違う感はあるよな。
ほぼ冨田藤男氏専属厩舎(ゴールドスペンサー以外の管理馬全て冨田氏所有)みたいになりつつある現状。まだ今年0勝よ…?冨田氏的な稼ぎ方は嫌いじゃないけど、その名前でやることじゃないじゃん…馬主さんの馴染みの厩舎ってことなんだろうけどさ…」
シ「結果的に無理だったとしてもそれなりに上を目指す姿勢が見えてほしい…ということでしょうか」
ぽ「偉大な先代のいる名前をつけるんだったら、ある程度の覚悟がほしい所。あくまで私がそう思ってるってだけだけどね。本来ファンがどうこう言えるものでもなし、付けていいルールなんだから馬主の自由っていうのが原則だ」
シ「でも、わざわざこの名前つけたってことは馬主さんにもそれなりの思い入れがあるんじゃないですか」
ぽ「確かに。騎手や厩舎、セリ価格なんかでは陣営の本気度なんてわからないもんな。細かいことは抜きにして、ゴールドスペンサーの今後を見守っていきたい」
※デビュー戦は7/27(月)浦和2R、11:40発走です
ぽ「……とまぁ綺麗に(?)納まったところなんだけど」
シ「なんですか」
ぽ「もしかしたらありえるかなーって思って」
ゴールドスペンサー、たまたま名前被っちゃった説
ぽ「二代目、三代目ゴールドスペンサーの馬主は
そして厚澤氏の冠名は『ゴールド』。現役だとゴールドバード、ゴールドスーツとかかな。負けが続いたと思ったら10人気1着とかやってたね」
シ「若干引っかかる物言いはやめてください」
ぽ「過去の所有馬見てるとゴールドタキシードって馬もいるんだよな。他の馬の名前は無難な印象だから若干スーツ、タキシードって違和感がある。もしかしたら馬主がそれ関連の仕事だったりするのかも。そしてスペンサータキシードってのがあるみたい」
ぽ「スーツ関連に関心があるのなら、知らず知らずのうちにスペンサーという名前をチョイスしたという説明ができないこともない」
シ「とんでもない帰無仮説出てきましたね…。さっきの鑑定団のくだり全く要らなかったじゃないですか」
ぽ「浦和で長年馬主やっていらっしゃるんだから、さすがに知らないってことはないとは思うけどね。何しろ冠名が冠名だから…」
シ「真相は闇の中…とはいえネタの一つくらいに捉えた方がよさそうですね」